「今使っているギザギザの鍵からディンプルキーに交換したい」
「ディンプルキーってなんでピッキングされないの？」
「ディンプルキーに交換するといくらくらいかかるの？」
ピッキングが難しく、高い防犯性能を誇ると言われているディンプルキー。
しかしなぜそんなにピッキングされにくいのかということはあまり知られていません。
そこでディンプルキーの簡単な構造から、実際にディンプルキーに交換する際の費用相場などを解説します。
より複雑なディンプルキー
ギザギザがついている鍵とディンプルキーにはどのような構造の違いがあるのでしょうか？
まず一般的なギザギザキーの構造を確認しておきましょう。
ギザギザがついている鍵は、鍵穴内部のシリンダー部分の上部に鍵を開け閉めするためのピンがあります。
このピンを、ギザギザの部分で押し上げることで、決まった形を作り上げ鍵が開閉する仕組みになっています。
一方ディンプルキーの場合、このピンが上部だけではなく、上下左右に存在している形になります。
上部にある数本のピンを調整すれば開けられてしまうギザギザキーと違い、上下左右のピンを、適切な位置に調整する必要があるディンプルキーは、それだけピッキングをするのに時間がかかるということになります。
一般的に空き巣のプロになると、ギザギザの鍵であれば1～5分程度でピッキングが可能。
鍵を開けて内部に侵入し、金目の物を盗んで逃げるまでの犯行にかかる時間は5～10分程度と言われています。
しかしディンプルキーに替えることで、ピッキングに必要な時間が5～10分、タイプによっては10分以上ピッキングに時間がかかることになり、空き巣犯としては好んで狙いたくない物件ということになります。
これがディンプルキーを使用する最大のメリットといえるでしょう。
どんな玄関でもディンプルキーに交換できる？
そんな高い防犯性を誇るディンプルキーですが、どんな玄関でもディンプルキーに交換できるのでしょうか？
答えは、大抵の玄関であれば交換可能です。
そもそも玄関の鍵交換は、その玄関の鍵のメーカーや型番次第になります。
玄関の鍵の部分を調べてみると、メーカー名と型番が刻印されているはずです。
「MIWA AL3M」、「GOAL AS.LX」、「SHOWA CL-50」などいろいろなメーカーや型番がありますが、交換できる鍵はそのメーカー・型番に対応している鍵にしか交換できません。
自宅の玄関のメーカーと型番を調べ、その型番に対応しているディンプルキーが存在すれば交換が可能です。
ディンプルキーへの交換費用は？
玄関の鍵をディンプルキーに交換するには、玄関の鍵部分をドライバーなどで取り外し、シリンダー部分をディンプルキー用のシリンダーに交換する必要があります。
作業工程としてはさほど複雑ではなく、自力でもやろうと思えばできる作業です。
ちなみに自力で鍵を交換する方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
ただし、毎日使う玄関の鍵で、しかも防犯の要ともなる鍵部分を、素人である自分が作業するには不安があるという方は、やはり専門の業者に依頼するのがいいでしょう。
専門業者に依頼した場合の費用相場を調べてみました。
地域や状況によっても変わってきますが、おおよそ20,000～40,000円程度が相場となっています。
ディンプルキーはピッキングされない？
玄関の鍵をディンプルキーに交換すれば、ピッキングされないと勘違いしている方も多いようですが、そんなことはありません。
ディンプルキーの方が、ギザギザの鍵に比べればピッキングに時間がかかるというだけです。
実際鍵開けの専門業者などは、ディンプルキーを紛失した場合、ピッキング作業で鍵を開けることはできます。
専門業者ができるのですから、空き巣などの侵入犯にもできないことはありません。
その作業に時間がかかるので、防犯性が高いと言われているだけです。
防犯性のが高いというメリットばかりが語られるディンプルキーですが、当然デメリットもあります。
まずは上で紹介した通り、鍵を交換するのに費用が高額になるということ。
ギザギザの鍵に交換する場合、18,000～23,000円程度の費用で交換が可能ですから、それだけ費用がかかるということになります。
同じく費用がかかるのが合鍵の作成。
ディンプルキーの合鍵を作る場合、5,000円前後は費用がかかります。
もしその鍵がマンションのような集合住宅の鍵で、オートロックの鍵も併用している場合は15,000円以上かかるのも珍しくありません。
ギザギザの鍵であれば、数百円で合鍵の作成ができますので、この点はデメリットといえるでしょう。
とはいえ、やはり玄関の鍵の一番重要な仕事は防犯です。
防犯性能が高いディンプルキーは優秀な鍵と言っていいでしょう。
